一般人の徒然

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「シュレーディンガーの猫」の概観を簡単な言葉でマイルドに解説してみる

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【目次】

 

 

そもそも量子論とは?

小難しいことを省いて端的に言えば、

「今まではどうしても解明できてない謎があったけど、原子とか電子みたいな滅茶苦茶細かい世界を考えてみたら上手くいったぞ!」

的な学問。

 

量子論の世界では「確率」によって色々な物事、出来事を表現します。今回の「シュレーディンガーの猫」におけるキーワードです。

 

 

量子論の世界における「重ね合わせの状態」

シュレーディンガーの猫を考える上で頭にいれておきたい考え方が1つあります。

それが「重ね合わせの状態」です。 

 

先程述べたように、量子論では度々物質の状態を確率で表します。

「ある!ない!」

ではなく

「ここに30%の確率であるかも!」

って感じ。

 

例えばコインを投げたとして、それが地面に落ちると表・裏が決定されますが、それまではどちらになるのかは分かりませんよね。

空中にコインがある間は、「表になる確率が50%」「裏になる確率が50%」の1:1で表と裏が重なり合った状態にあるという見方もできます。これが重ね合わせの状態です。

 

 

とある仮説がたてられる

さていよいよ本題。

デンマーク生まれの物理学者、ボーア(とその仲間たち)がとある仮説をたてたました。

「人の意識(観測)によって物事が確定する」

と、ざっくり言えばこんな感じの仮説。

人が意識を向けていない間は、前述したように確率によって色々な状態が重なり合って存在し、人が意識を向ける(観測する)ことによって初めて状態が確定するという考え方です。

 

目に見えない量子(電子など)の世界であれば「まあそういうものなのかな」と許しちゃえるけど、自分の身の回りに置き換えて考えてみるとちょっと気持ち悪いですよね。

 

ということで、ここで異議を唱えたのがオーストリア出身の物理学者、シュレーディンガーです。

 

 

シュレーディンガーの猫

シュレーディンガー的には「物理現象は明確に表現できる」っていうのが理想。つまり確率の重なり合った訳の分からない状態なんて言語道断なわけです。

そこで考えだしたのが「シュレーディンガーの猫」という思考実験です。

 

超簡単にどんな思考実験か説明すると、

  1. 外からは中の見えない箱の中に猫をいれる。
  2. 量子的に50%の確率で毒を排出する装置(毒が排出された時点で猫は死ぬ)を箱に差し込む。
  3. さあ猫はどうなってるでしょーか?

といった実験です。

 

もちろん箱の中を覗き込めば、猫の生死は判断できるわけですが、問題は我々から猫の状態が見えないとき。

先程の重ね合わせの考え方とボーアの仮説を適用すると、「猫は生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なり合っている」状態にあると言えます。

 

でも我々の感覚からすれば

「ん?でも箱の中が見えなくても結局猫は生きているか死んでいるかのどっちかじゃん!」

って考えるのが普通ですよね。

 

確率で物事を記述するという現実離れしたボーアの仮説を批判するために考え出されたのが「シュレーディンガーの猫」というわけです。

量子の小さな世界では当たり前とされていたことを現実の世界に適用することで、量子論のある種の異常性、そして不完全さを示したのがこの実験と言えます。

 

 

まとめ

とまあ色々説明してきましたが、一文にまとめると

「量子の小さい世界では確率で状態を表現するってまあ分かるけど、現実に照らし合わせたら異常じゃね?量子論は不完全!」

というのを言いたかったのがシュレーディンガーの猫です。

現在でもこの矛盾(小さい世界では当たり前とされていることを私たちの世界に当てはめるとおかしくなる)を完璧に解消できるような考え方は見つかっていません。

 

こんな感じで量子論の世界には、私たちの今までの常識を覆すような考え方がたくさん存在しています。

「科学とか数学とかが苦手!」っていう人でも、全く専門用語や数式を使わずに、概念だけを分かりやすく説明してくれてる本が多く出版されているので、是非そちらを読んで不思議な世界の一端に触れて貰えたらと思います。

世界の見方が一気に変わって、いい感じにアハ体験できますよ。

 

先生、それって「量子」の仕業ですか?

先生、それって「量子」の仕業ですか?

  • 作者: 大関真之
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/01/30
  • メディア: 単行本